私の彼氏、ぱんちゃんは生まれも育ちも香港で、広東語が母国語だ
しかし英語が一番得意とし、アメリカ人のような英語を話す
私に一番英語の発音を教えてくれたのは彼である
ちなみに香港の人がみんな彼のような英語を話すわけではない
実際私が香港を訪れた時、香港の店員さんは英語はわかるけれど英語の発音に関しては、かなりなまりがあるという印象だった
彼の両親はカナダに住んでいたことがあり、英語は話せるけど
香港の店員同様、両親の話す英語もかなりの広東語なまりがある
彼は両親と広東語で基本話すが、広東語のボキャブラリーの狭さから英語をしばしば使ってしまう
なので両親と話していても、英語がちょいちょい使われるので、私は大体何について話しているのかがわかってしまう
しかしこんな彼も3歳くらいまでは広東語しか話せなかったらしい
英語が一番得意になった一番の理由は小学生から高校までインターナショナルスクールで授業が全て英語だったからだ
つまり学校では英語を話して家では広東語を話して高校卒業するまで育ってきたのである
一つの科目として北京語を学び、一ヶ月ほど、北京語留学をした事もあるため、広東語ほどではないが北京語も話す事ができる
中華料理のレストランに行くと北京語でも広東語でも料理をスラスラ頼むことができるのだ
それって結構すごい!と思うのだが実は
中国語の読み書きがほとんど出来ない!
当たり前のように、家でも学校でも日本語で話して育ってきた私にとっては、初めてこの事実を知ったときは大変びっくりした
そんな言語の習得の仕方があるんだなあと感心した
そして現在も私は彼の中国語力がどれくらいあるのか、よく掴めない
中国語の読みに関すると、レストランのメニューは結構読める
つまり魚とか牛などの漢字がわかる
あと他には山やら木やら火とかっていう簡単な漢字は分かるみたい
でも中国語の書きに関すると、ほぼ書けない
自分の名前の漢字さえも間違えて書いてしまうことがあるくらいのレベルだ
まあ広東語の漢字は日本の漢字と比べると、結構複雑なものが多いから、わからなくもないが
ある日ラーメン屋で食べているとき、彼は箸の袋にその店の漢字のマークみたいなものを指差して私に言った
ぱんちゃん「この漢字は自分の名前の一番初めの漢字と一緒だ」
私「え?ちょっと違うくない?」
と言いながら、私は絶対違うと確信していたが、彼は一緒だと言い張り
箸の袋の写真を撮って、家で彼の公式な書類に書いてある名前と比べて確認する事になった
家で確認したらもちろん間違っていた
ぱんちゃん「あれ?こんな漢字だったかー」
と特に気にする様子もなかったが、私は驚いていた
北京語に関しては、みんながいっぱい北京語を話している環境に置かれれば、ネイティブの人ともかなり話せると彼は言うが
私は実際に彼が北京語をレストランで注文する以外に話している姿を見た事はなくて
本当はそれ以上話せないのではないかと疑問を抱いている
嘘をついているとは思えないが、信用することが出来ない事件が起きたのである
かなり前の話であるが、ニューヨークに住んでいたある日、二人で街を歩いていたら、アジア人の見た目の親子の様な二人組が私たちに寄ってきた
その父親であるだろうものが、北京語で私に何か質問をした
ちなみに私がニューヨークで北京語で質問されることはよくあることだった
私は北京語が出来ないため、北京語ができるはずのぱんちゃんを勢いよくその父親に差し出した
ぱんちゃんの活躍の番だと私は密かに期待していた
父親は北京語でぱんちゃんに質問をした
ぱんちゃんはしばらく黙っていた
かなり困っている様子だった
私「どうしたの?何か困った質問でもされた?」
ぱんちゃん「いや、NYU (New York University) までの道を聞かれただけ。でも北京語で何と言っていいかわからない」
私「え!」
北京語ネイティブの人と話せるって言ってたのに、道案内に困難するの?と驚いたのだ
ぱんちゃんはとりあえず英語で説明してみた
困った事に、その父親は「NO ENGLISH」と返事をした
ちなみにこの返事を私も何回も聞かされてきた
でも向こうにしてみれば、きっと私の事を中国人だと思ったからこそ
私に初めから北京語で話してくるのだから英語ができないのは仕方ないことかもしれない
ぱんちゃんはその次父親に広東語が話せるか聞いてみたが、それも話せないと答えられた
私達はどうすればいいかわからず、路上で立ち止まっていたところ
白人の見た目の若い三人の男組が前からちょうど歩いてきて、「何か問題が起きたか?」と聞いた
私たちが事情を説明したところ
なんとその三人のうちの一人が偶然にも今、北京語を勉強しているから頑張ってみると言ってくれて
その親子に道案内をしてくれる事になった
一安心した私達はその場を離れた
歩きながら、ぱんちゃんはこう呟いた
「あの父親は中国人を見つけてきっと助けてくれるだろうと期待しただろうが、自分が助けられなくてちょっとガックリしただろうな」
私は心の中で
「私も北京語を話せると思っていたのに期待外れでちょっとガックリしたよ」と思ったが言わなかった
その代わり私は北京語で言えなかった言葉が何だったかを聞いた
すると「真っ直ぐ」という言葉が全く思い出せなかったとのこと
それってかなりの入門単語じゃないか?と思ったが
私はなーんか不思議だなあと思って、彼の中国語力に関しては今もよくわからないでいる
まあアメリカで暮らしていると、彼が中華レストランで注文できるのが一番助かるから私は別にそれ以上の期待をする必要はないし
いずれ中国本土を訪れる事になったら、彼のいう本当の北京語の実力を発揮してくれるに違いない
多分ね 笑
以上!